断熱について~木造一戸建て住宅編①~

設計の仕事を始めたころ、ある工務店の社長さんに「東山君、断熱についてそんなに神経質にならなくても、ここらへんは温暖な気候の地域だから中断熱中気密くらいがちょうどいいよ。」と言われ、断熱の知識がなかった私は真に受けてそう思い込んでいました(恥ずかしい…)

こんにちは、東山です。

「高断熱の住宅」がかなり浸透して当たり前の時代になってきましたね。(正直、断熱性能だけで他社と差別化することはできなくなってきました。)
だからこそ、ちゃんとした知識をもって設計に取り組んでいるのかどうかが大切なんだと思います。高断熱にしたらそれだけで快適なのかというと違いますしね。
ゆずりは設計室では断熱は気密や換気、通風、機械設備、建築的工夫などを合わせた総合的な温熱設計のひとつであるという位置づけで考えています。
では、順を追って説明していきましょう!

もくじ
1.断熱性を高めることのメリット
2.断熱性を高めることのデメリット
3.断熱の方法
4.断熱材の種類
5.断熱施工で大切なこと

今日は断熱性を高めることのメリットとデメリットをあげてみます。

断熱性を高めることのメリット

①空調にかかるエネルギー消費量を少なくすることができる
分かりやすくお金で言えば、省エネを実現できエアコン等の電気代を抑えることができるということです。
熱の逃げる量

②体感温度を上げることができる
室温が高くても、壁や床が冷たかったら体感温度は下がってしまいます。断熱には壁や床の温度を下げない=体感温度を上げる効果もあります。
体感温度

③部屋の上下で温度差が小さくなる
よく足元の冷えが原因で底冷えしてしまいますよね。断熱性の低い家ではいくら暖房を使っても温かい空気は天井付近に溜まり、足元の温度が低くなってしまいます。
上下温度差

④住宅内の温度差が小さくなる
ヒートショックという言葉を聞いたことはありますか?暖かい居室から寒い廊下・脱衣室を通って、入浴で熱いお風呂に入った時に引き起こされる失神、心筋梗塞、脳梗塞等のことです。
原因は「部屋ごとに温度差が大きい=血圧の変動も大きくなる」ことで、断熱性を高めることで部屋ごとの温度差を小さくしてあげれば、ヒートショックの防止にも効果があります。

ここまでメリットをあげてきましたが、じゃあ、デメリットがないかと言ったらあります。

断熱性を高めることのデメリット

①夏期の熱排出が少なくなる
「断熱=保温」であることは、夏期では暖められた空気が外に排出されにくいというデメリットにもなる。
そのため、適切な換気や通風、夏期の日射の侵入を減らすなどの工夫が重要になってきます。

②内部結露のリスクを増大させる
断熱すれば結露が起こりにくくなると勘違いされてる方が多いのですが、外と室内の温度差が大きくなればなるほど、内部結露のリスクは増えてしまいます。(これについてはまた書こうと思います。)
内部結露防止には室内の空気を壁の中に入れない工夫が絶対条件で、高気密高断熱とセットで言われるのはこのことからも納得いきますよね。

最後に…
断熱性能だけを上げるリフォームなどがよく見られますが、上に書いたようなデメリットからも換気や気密など総合的に考えていかなければ、かえって新たなリスクを増やしていることになり兼ねないことが分かっていただけたと思います。
正しい知識をもって、ひとつひとつ丁寧に設計(解決)することがいい家づくりの第一歩になります♪

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